漢方治療エビデンスレポート
日本東洋医学会EBM委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース
10.
呼吸器系の疾患
(
インフルエンザ、鼻炎を含む
)
文献
宮本昭正, 井上洋西, 北村諭, ほか. TJ-19 ツムラ小青竜湯の気管支炎に対するPlacebo
対 照 二 重 盲 検 群 間 比 較 試 験. 臨 床 医 薬 2001; 17: 1189-214. 医 中 誌 Web ID: 2002029631
MOL
, MOL-Lib宮本昭正. 気管支炎に対する小青竜湯の効果. Pharma Medica 2007; 25: 23-5.医中誌 Web
ID: 2008035989MOL, MOL-Lib
1. 目的
気管支炎に対する小青竜湯の有効性と安全性の評価 2. 研究デザイン
二重盲検ランダム化比較試験 (DB-RCT) 3. セッティング
大学付属病院 17 施設、病院 42 施設、診療所 3 施設
1994年12月から1999年3月まで 4. 参加者
水様の痰、喘鳴および咳嗽のいずれかを有する気管支炎のうち、軽症あるいは中等症
の、薬効を判断しえる程度の症状を有する16才以上65才未満の患者 5. 介入
4日以降のリン酸ジメモルファン (アストミン) 以外は併用禁止。
Arm 1: ツムラ小青竜湯エキス顆粒 9.0g 3×7日 101名 (有効性解析)
Arm 2: Placebo 9.0g 3×7日 91名 (有効性解析) 6. 主なアウトカム評価項目
全般改善度
咳、痰等気管支炎症状の改善度
安全性 7. 主な結果
投与終了時の中等度以上の全般的改善度はArm 1で57.4%、Arm 2 で42.9%とArm 1
がArm 2に対し優れる傾向があった (P=0.060) 。3- 4日後では有意差はなかった。症状
別の改善度は3- 4日後に喀痰の切れはArm 1が有意に優れ、喀痰の性状 (膿性、粘稠
度等) 、日常生活への支障の有無も優れていた。投与終了時は咳の回数、咳の強さ、喀
痰の切れ、日常生活においてArm 1は有意に優れ、くしゃみ、鼻閉に関しても優れる
傾向であった。 8. 結論
小青竜湯は軽症の気管支炎に有効である。 9. 漢方的考察
水様の痰,喘鳴および咳嗽のある患者を対象にしたこと自体が漢方的な小青竜湯の選
択であるが、さらに非虚弱者、咳および水様の痰でサブグループに分類すると、全般
的改善度はArm 1がArm 2に比べ有意に優れていた。 10. 論文中の安全性評価
小青竜湯投与群で7名(6.7%) 、Placebo群で9名(9.9%) の副作用が認められた。両群と
も重篤な副作用は認められなかった。 11. Abstractorのコメント
漢方的な証を用いた本格的なDB-RCTである。春見建一, 他. 漢方エキス製剤の臨床評
価方法に関する研究班・平成3年度報告書. 臨床薬理1991; 22: 781-91. で示された漢方 製剤の再評価のための臨床評価ガイドラインに従って、証を用いてサブグループ解析
を行っている。この結果、咳及び水様の痰を有する症例のグループでより改善度が高
いと示されている。この漢方製剤臨床評価ガイドラインがさらに広く知られ使われる
べきであろう。 12. Abstractor and date
藤澤道夫 2007.6.15, 2008.4.1, 2009.2.22, 2010.6.1, 2013.12.31